国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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発表 多雪域にある湿原の地下水変動について

作成年度 2004年度
論文名 多雪域にある湿原の地下水変動について
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第49回水工学講演会
誌名(No./号数) 水工学論文集第49巻
発表年月日 2005/03/07 ~ 2005/03/09
所属研究室/機関名 著者名(英名)
環境研究室中津川 誠(NAKATSUGAWA Makoto)
環境研究室佐藤嘉昭(SATO Yoshiaki)
(株)DOCON工藤啓介(KUDO Keisuke)
抄録
本研究では、 北海道にあるサロベツ湿原を対象に、 湿原域の地下水がどのような条件で維持され、 変動しているかを既報に引き続き明らかにすることを目的とする. とくに、 地下水環境の理解を進めるため、 多雪域の湿原において雪の果たす役割に着目した. ここでは数カ年にわたって実施された積雪調査に基づき、 湿原域では非湿原域より融雪が多いことを明らかにした. 一方、 高層湿原域にある地下水位は1月から3月にかけての積雪期に高いことを見いだした. このことは積雪域の湿原では融雪期だけでなく、 厳冬期における積雪底面からの融雪が大きな涵養源となり、 高い地下水位を維持する要因となっていることを示唆する. とくにサロベツ湿原に広く分布する高層湿原(Bog)の環境は、 天水からの涵養に大きく依存しているため、 積雪の変動は大きな影響を及ぼすとみられる. [*]以上を踏まえ、 様々な要因による湿原の水環境への影響を分析することを目的に、 モデルによる地下水動態の把握を試みた. ここでは湿原内の地下水を不圧地下水として扱い、 2次元非定常モデルに有限要素法を適用して計算を実施する. 一連の解析により、 地下水涵養源としての雪の役割を明らかにした. また、 それをモデル化することで、 地下水への影響要因を分析し、 湿原保全策の検討に生かしていくことができると考える.
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