| RC 製ロックシェッドは，許容応力度法により設計された同種の構造物では，耐力的に非常に大きな安全余裕度を有していることが明らかになっている．近年，様々な構造物の設計法が許容応力度設計法から限界状態設計法を経て，性能照査型設計法へ移行しつつあり，ロックシェッドの設計においても各性能に対する断面設計を可能とする性能照査型の耐衝撃設計法の確立が望まれている．本研究ではロックシェッドの性能照査型耐衝撃設計法を確立するための基礎的検討として，実ロックシェッドの 2 / 5 縮尺模型試験体を製作し，重錘落下衝撃実験により終局状態に至るまでの耐衝撃挙動に関するデータを取得した．[*]本実験により得られた結果を整理すると，以下のように示される．1) 入力エネルギーの増加に対応して最大重錘衝撃力も増加するが，押し抜きせん断破壊型のひび割れが顕在化することにより，その増加割合は減少する傾向にある．2) 入力エネルギーの増加に対応して載荷点変位はほぼ線形的に増加するものの，その残留変位は押し抜きせん断破壊面が形成される場合に急増する傾向にある．3) 敷砂緩衝材を設置しない条件下でのロックシェッド試験体中央部への重錘落下衝撃実験では，押し抜きせん断破壊により終局に至る． |
