道路の舗装は、建設時の施工上の制約が少なく、施工が早いことや、維持修繕が容易にできることなどから、アスファルト舗装が主流となっている。アスファルト舗装は、路面性状を常に把握し、適切な時期に維持修繕を行うことで、耐久性、供用性を確保するように考えられている。しかし、供用延長の増加に伴う舗装の修繕費用の増大、修繕時の交通規制に伴う交通渋滞対策などから、補修頻度をできるだけ少なくできる舗装が望まれている。すなわち、従来一般的であったアスファルト舗装は、重交通道路においては温暖時の流動、変形によるわだち掘れが課題であり、寒冷地においてはスパイクタイヤ、タイヤチェーンによる魔耗わだち掘れが課題であり、より耐久性のある舗装が要求されている。一方、コンクリート舗装は、上記の問題を克服する耐久性を有するものの、目地上の車両走行時の不快感、イニシャルコストが高いなどの課題がある。このように、アスファルト舗装とコンクリート舗装は走行性、耐久性においては相い反する特徴を有する。双方の特徴を活かすひとつの試みとして近年、わが国で検討が進められているコンポジット舗装がある。しかし、これまでの施工例は極めて少なく性状の把握に加えて、リフレクションクラック対策および設計法の確立等が課題として残されている。本報告は、これら課題に関しての検討を行うために、転圧コンクリート舗装(RCCP)を用いたコンポジット舗装の試験舗装の施工報告と、調査検討課題の中間報告を行うものである。尚、道内でのコンポジット舗装は、昭和27年に札幌~千歳間、平成元年に一般国道228号、函館木古内バイパスで実施され本工事で3例目となっている。 |