国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 豊平峡ダムのグラウト試験について

作成年度 1970年度
論文名 豊平峡ダムのグラウト試験について
論文名(和訳)
論文副題 昭和44年度(D-13)
発表会 昭和44年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和44年度技術研究発表会
発表年月日 1970/12/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
金子十四次
長友八郎
抄録
豊平峡ダムサイトの岩質は、安山岩質熔岩一種類から成つている。又その熔岩は各礫岩のように、早期に形成されて破砕された礫(マトリックス)の部分と、その後熔出してきて礫を被覆した同質の(マテリアル)の成分から成り立つている。このマトリックスとマテリアルの性状と固結の度合は、ダムサイトの各部分で様様な変化を示している。一番問題になるのが河床部の軟質の岩盤である。この部分の岩盤のせん断強度が小さい為に、ダム掘削工事に着工した後にダム本体の形状を大きく変更してサドルを設けなければならなかった。左岸部は、堅硬な岩盤である断層が多く、ダム基礎として構造上問題になる3本の断層もある。右岸の上部には、マテリアルの部分が、やや凝灰質を帯びマトリックスとの固結の度合の弱い岩盤がある。ダム建設工事開始前迄に実施されてきた地質調査の結果から、グラウトによる基礎処理に関連した問題点を列挙すれば以下のようになる。①河床部に存在する軟質の岩盤は、コンソリデーシヨングラウトによって改良することができるか。②ダムサイト全体の岩盤の透水度は非常に小さい。すなわちルジヨン値で示せばほとんど1ルジヨン(透水計数で10(-5)程度)以下である。このような岩盤に対して、カーテングラウトの効果、又はその必要性が期待できるか。当初豊平峡ダム建設事務所では、このような岩盤に対するグラウト効果は、非常に小さいだろうし、注入量自体も僅かであろうと考えて、二次コンソリデーショングラウトとカーデングラウトを主体しにした、やや控え目なグラウト工事計画をたてていた。しかし豊平峡ダムは開発局最初のアーチダムでもあり、工事実施に当つて、どれだけの規模で、どんな工法で施工し、又それに対して、どれだけの効果を期待すればよいかと云う事が問題となった。そこで、その問題について、工事施工前に一連の試験を行なった。試験の内容および、その経過、又試験の結果従来のグラウト計画を大きく変更した事などについて以下述べる。
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