国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 湿地用ブルドーザーについて

作成年度 1957年度
論文名 湿地用ブルドーザーについて
論文名(和訳)
論文副題 昭和31年度(80)
発表会 昭和31年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和31年度技術研究発表会
発表年月日 1957/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
宮前博志
宮本栄太郎
抄録
北海道開発と泥炭地の問題は切離せない関係にあり、泥炭地用施工機械研究の気運もとみに上昇している。普通のブルトーザーはその接地圧は約0.55kg/c㎡で泥炭地等の湿地軟弱地盤上では、稼動はもとより走行すらも期せられない。最近、湿地用改良型ブルトーザーと銘打って、NTK4(日本特殊鋼K.K.)、D50(小松製作所)、BBⅣ(三菱日本重工)の3車が試験製作され、その実地試験を篠津運河の周辺で行った。これは「泥炭地の施工機械の具備要件および支承方法の研究」の一環として土木試験所・札幌開発建設部が協同して昭和30年9月に行ったものである。第1試験地点は、現在ラダーエキスカとポンプ船で開削中の篠津運河沿い北8号線の現場で、運河から約15m離れた雑草約3尺の高さに繁茂した箇所で、泥炭地としては中位に属する場所である。地下水位は地表下約40cm、含水比500~800%、乾燥密度0.15、支持力は0.3kg/c㎡に対して沈下約60mmである。第2地点は、第1地点と同一箇所であるが、表土を剥脱した状況で、また、たまたま降雨などもあり、泥炭地としては下位に属する。第3地点は、前2地点より下流の江別事業所附近で、4年程前に排水溝および運河ができたところであり、表面は比較的乾燥し、地下水位は運河河岸近くで地表約1~2m、河岸から20m離れれば第1地点と同様、含水比400~600%、沈下量は0.3kg/c㎡に対して30mmである。泥炭地とはいえ、いわゆる湿地とはいえない。以上、異なった試験地点を3箇所選んだが、地点毎のデータはかなりの変化を見せているので、その検討に際しては必ず立地条件を考慮しなければならない。
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