国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 層雲峡武華隧道工事について

作成年度 1958年度
論文名 層雲峡武華隧道工事について
論文名(和訳)
論文副題 昭和32年度(20)
発表会 昭和32年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和32年度技術研究発表会
発表年月日 1958/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
佐々木憲幸
抄録
まず隧道工事を述べる前に、この隧道を含む層雲峡留辺蘂間道路新設工事の目的と意義を簡単に紹介する。この道路は層雲峡大函地区を起点として、昭和24年度着手、延長18kmを延々8箇年間に亘り継続工事として昭和31年大望であった北見石狩国境に達することができた。目的の第一は連絡である。現在石狩北見間を一級国道39号線で連絡はしているが、この国道の状況は線形、勾配ともに近代交通に不適な箇所が多く、したがって、利用頻度が極めて少ない。それに比して現在完成を目前にする層雲峡道路は、高速車交通を対象として一級国道のすべての条件を整えて施行されたもので、年々増加を見せる自動車の数とともに、この利用度も著しい増加を見せ、南北両地区間の物資の交流がこの道路によって行われることは明白である。次に生産面であるが、埋蔵量数数千万石と言われている大雪山系の密林より生産する木材が、すべてこの道路を幹線として搬出される。また、観光面では大雪山の中心美を成している層雲峡谷を縦貫し、温根湯温泉と阿寒国立公園に通ずる一大観光ルートである。このように目的のどの一つを挙げても十分この道路の価値を認め得るもので、早期完成に拍車をかけた理由もここにある。
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