防災・景観・観光の観点から電線電柱類の対策が求められている中、日本においてはこれまで主に市街地の幹線道路や観光地の歴史的町並みなどを対象とした無電柱化(主に電線地中化)が進められてきた。
国土交通省においては「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」(H26.9発足)において低コスト化につながる埋設方法の浅層化や直接埋設などの手法が検討されている。
日本国内において先進諸外国並の無電柱化率を達成するためには、高額な整備コストの大幅な削減や施工性の向上を図る必要があり「積雪寒冷地における浅層埋設技術」および「郊外部における専用の施工機械を用いた施工技術」についての検討が重要である。
そこで、寒地土木研究所では、凍上地域での非市街地における効率の良い掘削やケーブル埋設の方法を確立すべく、施工機械に求められる性能を把握して、効率的に電線の埋設できる専用機械の仕様を検討する予定である。
そのための事例収集として、海外で使用されているケーブル埋設用掘削機械の基礎調査を行った。
その結果、掘削+ケーブル直接埋設+埋め戻しの一連作業を行う専用機械や、バックホウやトラクタショベルのアタッチメントとして掘削のみを行う機械などが使用されていることがわかった。
本稿ではこれら機械の特徴や国内への適応の可能性について概要を報告する。 |