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発表 北海道沿岸域におけるバイオフィルム内の付着珪藻類の季節変動

作成年度 2020年度
論文名 北海道沿岸域におけるバイオフィルム内の付着珪藻類の季節変動
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本プランクトン学会
誌名(No./号数)
発表年月日 2020/09/20
所属研究室/機関名 著者名(英名)
北海道大学松本卓真(MATSUMOTO Takuma)
水産土木チーム稲葉 信晴(INABA Nobuharu)
北海道大学松野孝平(MATSUNO Kohei)
抄録
バイオフィルム中の付着珪藻類は、海洋の魚類やベントスの重要な餌生物であるため、浅海域の海洋生態系内の生物生産を考慮する上で、無視することのできない構成要素である。しかしながら、バイオフィルム内の付着珪藻類の種組成の季節変動や好適な増殖環境については不明点が多いのが現状である。そこで本研究では、バイオフィルム内の付着珪藻類の種組成と細胞密度の季節変動を調べ、付着珪藻類の好適増殖環境を明らかにすることを目的とした。 各試験礁のバイオフィルムの乾燥重量は、全季節においてホタテ30>ホタテ15、ホタテ0であり、ホタテ30で有意に高かった。クロロフィルa濃度では、全季節においてホタテ30>ホタテ15>ホタテ0であり、基質間隔が広いほど濃度が高かった。生細胞密度を基質間で比較すると、クロロフィルと同様に、ホタテ30>ホタテ15>ホタテ0の順に有意に多かった。付着珪藻類の生細胞と死細胞の割合を比較すると、ホタテ0では全季節において死細胞の割合高かったのに対して、ホタテ15とホタテ30では生細胞の割合のほうが高い結果となった。種組成に関しては、有意差はなかったが、基質間隔が広いほど種数が多かった。さらに、基質、季節、細胞の生死を変数としてPERMANOVA解析を行ったところ、基質および季節によって有意に種組成が変化することが示された。これらの結果より、バイオフィルム内の付着珪藻類にとって、基質間隔が広いほど増殖に適した環境であったことが示唆された。
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