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発表 沙流川での2003年台風10号における流木の挙動

作成年度 2003年度
論文名 沙流川での2003年台風10号における流木の挙動
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第47回(平成15年度)北海道開発局技術研究発表会
誌名(No./号数)
発表年月日 2004/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
河川研究室鈴木 優一(SUZUKI Yuichi)
河川研究室渡邊 康玄(WATANABE Yasuharu)
抄録
2003年8月3日に発生した台風10号は、9日に北海道に接近し停滞していた寒冷前線を刺激したため、台風による降雨と前線による降雨が重なり合い、太平洋側を中心に強い降雨となった.特に、日高、胆振地方では非常に強い降雨となり、沙流川流域の山間部では、一日の降雨量が年間平均の1/3に迫る地点や総降雨量が400㎜を越える地点が出現した.また、上流域の時間雨量が3時間連続で30㎜を越え、上流域平均総降雨量も約330㎜になるなど記録的な豪雨となった. このため、沙流川では計画高水位を超過する大洪水となり、河口から15.6㎞の平取観測所地点では計画高水位を約70cmも上回った.また、河口から21.4㎞に位置する二風谷ダムでもダム流入量がダム設計洪水流量を上回る約6、350m3/sに達する流入となった.ただし、水位及びダム流入量は速報値であり確定値ではない.  この大洪水で、沙流川流域では山間部等から大量の流木が発生し、河道内や橋梁の橋脚等に堆積した.このため、沙流川の支川額平川では橋梁の一部が流出した個所や橋脚と橋桁が下流側に傾斜する等の被害が発生した.さらに、二風谷ダムでは、洪水後に1年間にダムで処理される流木の50年分に相当する 約5万m3の流木が貯水池内に滞留していた.沙流川流域では近年、1992年、1997年と2001年に大きな洪水が発生している.これらの洪水の中で、1992年の洪水では流木が大量に発生した.この流木について、矢部らは流木の流出量について、また、渡邊らは鵡川流域で河道内樹木の倒伏状況について研究している.なお、この1992年洪水では流木の影響で橋梁が流出するような被害は発生していない. 近年、河川環境に配慮した河川整備を行う必要性が高まり、河畔林の再生あるいは保存が積極的に行われている.その一方で,河畔林は洪水時に流木の発生源ともなっている.今回のような記録的な洪水では、流域全体から流木が流出したものと推定されるが、河畔林の流木流出対策を行うことは、洪水被害の低減につながるため今後の河川環境を踏まえた河川整備や河川管理を行う上で必要不可欠な要件である. このため、本論文では洪水直後の現地調査を基に、 河畔林の倒伏状況、堆積分布や堆積量、さらに河道内での流木の発生源等について検討を行っている.
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