本研究は、道路線形に関する情報が運転者のカーブ緩急判定に与える影響を検討したものである。調査は、パソコンを用いて室内で行った。3種類の警戒標識と3種類の音声情報をカーブの奥行きを示す情報として考案した。これらの情報をアドビプレミアによって映像に合成した。札幌市郊外の国道393号線から6つのカーブを緩急評価のために選択した。289人の一般ドライバーが実験に参加した。被験者は、カーブ進入前に緩急を判定すると同時に、カーブ通過後に事前評価を再度評価した。さらに、どの情報を事前判定で重要視したかを回答した。事前評価と事後評価の散布図を作成し、情報提供が与える影響を分析した。結果として、適切な情報が事前評価にプラスの効果を与えることが分かった。特に、右カーブより左カーブで情報の適切さが事前評価の妥当性に大きく影響した。一方、情報としては映像すなわち道路前方景観が最も重要視された。標識情報もカーブによっては重要視された。音声情報は、標識情報に比較して被験者に利用されていなかった。事後評価は、情報を変えても何れのカーブでも大きく変化しなかった。パソコンによる静的調査であり、今後実車での追加調査が必要と言えた。 |