平成15年の北海道における交通事故死者数は397人であり、前年より96人も死者数を激減させ、モータリゼーション後、昭和52年に記録した最低の死者数である475人を大幅に下回った。しかしながら、都道府県別の交通事故死者数は平成4年以来、12年連続全国ワースト1位を記録する事態となっている。北海道の特徴としては事故件数に対して死亡事故の割合が高く、特に車両単独事故や正面衝突事故による死亡事故が多い。このような状況の中、正面衝突事故対策としては交通安全施設の一つであるランブルストリップスを北海道の国道のセンターラインに設置する対策が進んでいる。一方、車両単独事故の防止策としては、ランブルストリップスを車両路肩に設置することが一つの対策として考えられる。ただし、車道路肩を走行する自転車や原付・バイクなどの二輪車に対する安全性について検討する必要がある。そこで、当研究所では、正面衝突事故対策として車道路肩へ導入することを検討するため、苫小牧寒地試験道路にて試験施行を行い、それを利用して一般の方による走行実験や騒音・振動調査を行った。この走行実験や騒音・振動調査により、路外へはみ出す車両に対する効果を確認することができ、路肩を走行する自転車、原付・バイクに対する二輪車の走行上の安全性を確認することができたと考える。本稿は以上のような実験結果を踏まえ、ランブルストリップスの現状と効果について報告するものである。 |