| 平成14年の道路橋示方書（IV下部構造編）・同解説の改定では、直接基礎の極限支持式に支持力係数の寸法効果に関する補正係数が導入された。これは、基礎幅の増加が極限支持力を低下させる傾向にあることから、設定されたものである。一方で、設計に用いる土質定数（ｃおよびφ）は一般的な物性値や推定式等から求める場合が少なくないため、その値は小さく評価される傾向にある。このことから支持力が過小評価され過大な構造物が設計される可能性があるため、適正な構造物設計のためには寸法効果を踏まえた、より正確な設計定数（ｃ，φ，補正係数等）の把握が必要とされている。 本検討では、寸法効果を考慮した適正な設計定数を把握する目的から、レキ質土および岩砕盛土において載荷板の寸法を変えた平板載荷試験を実施し、直接基礎の形状の変化に伴う極限支持力の寸法効果特性について考察した。その結果、以下のことがわかった。１） 支持力係数Nγの補正係数Sγに、道示と同様の近似式の関係が認められる。２） 補正係数のパラメータμは、必ずしも道示の一般値（-1/3）とはならないため、現場条件に適応した適正な補正係数および土質定数（cおよびφ）の調査・算定が必要。３） 試験結果からえられた地盤反力係数値に、道示の推定式と同様の近似関係がみられた。しかしながら、パラメータは必ずしも道示の値（3/4乗）とは一致しなかった。 |
