道路橋において性能規定型設計の導入にともない、地盤性状の実態を的確に評価した合理的な基礎工設計を実施することが重要な課題となる。現在、北海道に広く分布する火山灰地盤での杭基礎鉛直支持力は、火山灰土が破砕性を有し砂質土とは異なるせん断特性を示すことから実測値が設計値を下回る事例もあり、明確な杭基礎設計法が確立されていない状況にある。そのため、火山灰地盤における合理的な杭基礎設計法を確立する目的で、北海道内3箇所の火山灰地盤において場所打ち杭、打込み鋼管杭の鉛直載荷試験を実施し、杭の鉛直支持力特性、特に杭周面摩擦力の発現機構について考察を行った。 その結果、火山灰地盤における杭周面摩擦力は現行のN値による設計値に対し一様な発現を示しておらず、火山灰土の物性に応じて発現傾向が異なった。北海道における火山灰土は降下火砕物と流下火砕物に大別されるが、流下火砕物において場所打ち杭で約70%、打込み鋼管杭で約15%現行の設計値を下回り、今後、設計値を低減した検討の必要性が示された。また、あわせて実施した静的コーン貫入試験結果において、降下火砕物と流下火砕物における杭周面摩擦力発現傾向の違いが比較的明瞭に確認された。 |