従来、道内での泥炭地盤における深層混合処理工法の改良率は、ほとんどの場合50%以上で施工されている。道路としての品質に問題がないように、改良率を低減させることができれば、改良柱体の本数が減るため施工コストの縮減が図れる。道内の泥炭性軟弱地盤では、低改良率での施工事例が幾つかあるものの、低盛土については十分な検証が行われていない。近年、泥炭性軟弱地盤における低改良率の深層混合処理工法について、理論的には可能1)であるとしていることから、インハウスVEで取り上げられた。したがって、低改良率による施工が、従来改良率と同等な品質を確保できるかどうかを検証するために、試験施工を実施することとした。現時点では、深層混合処理工法による地盤改良及び載荷重盛土の施工と計測器の設置が終了し動態観測を継続中である。この試験施工では施工によるJR線への影響も無く、無事施工を終了させることができた。今後は、載荷重盛土について1年程度の間、計測を継続的に行い沈下の傾向を観察していくことになる。この計測結果を基に、残留沈下量を満たした時点で載荷重盛土の撤去を行う。次に、仮舗装を行い、試験的に車両を通行させ動的荷重での地盤や舗装面の変位を計測する予定である。この結果から供用後の沈下量や不陸が想定内で走行の安全性を確認できれば、本施工の工法として採用する予定である。 |