1 研究目的 家畜糞尿への適切な対応や、再生可能エネルギ-の利用が地球温暖化対策等の観点からも急務となっている。本研究開発は、メタン発酵施設等により家畜糞尿に含まれる肥料及びエネルギ-資源の有効活用をはかるとともに環境の保全をめざすもので、①積雪・寒冷な地での、②地域の飼養形態に即した敷き料混合糞尿を含めた、③共同利用型、のバイオガスプラントの実証的な試験を行う。2 研究の全体計画 研究期間は平成12年度~16年度までの5カ年を予定している。メタン発酵施設を中心とした資源循環試験施設を整備し、①農家からの糞尿等の搬入・生成物の搬出を含めた施設全体の経済性や運営体制、②各施設や機械の効率的運転法、生成エネルギ-の有効利用法やエネルギ-収支、③搬入物や生成物の安全性の確認、生成物の作物や土壌への施用効果、施設稼働による周辺環境保全効果等、を検証し、積雪寒冷地である北海道における普及レベルでの課題及び対策を明らかにする。3 研究経過 平成12年度には別海(酪農専業地帯)及び湧別(畑酪混合地帯)に、メタン発酵施設を中心とした資源循環試験施設を整備し、事前調査を実施した。平成13年度から、中温発酵による立上げ・連続運転を行い、その課題と対応に関する事項を関連農業試験場等と分担・実施し14年度に前期の試験(フェイズⅠ)を終了し、中間報告を実施した。4 今年度の研究概要 今年度は別海及び湧別の連続運転での課題となった事項を整理するとともに、一部について対策を実施し、その効果を上記2の「研究の全体計画」の調査試験内容に沿って関連農業試験場等と検証している。5 今後の方針 平成16年度には残された課題の検討(高温発酵稼働等)を行うとともに、これまでの成果を総合的に整理し、全体成果をまとめる。また、バイオガスプラント導入の手引き(各種マニュアル)案を作成する予定である。 |