札幌圏は、人口200万人を抱える大都市圏でありながら、年間の累計降雪深は約5mに達する地域である。冬期には降雪及び路面凍結が原因による慢性的な交通渋滞が問題となっており、冬期道路交通の確実性・定時性を確保することは、地域の社会経済活動を維持するために非常に重要な課題となっている。 これらの課題に対処するため、北海道開発土木研究所と共同研究グループは、XML(Extensible Markup Language)ベースの道路用Web記述言語RWML(Road Web Markup Language)を活用した情報提供実験を地域の道路管理者や関係機関、市民の協力を得て2001/2002年冬期より継続して実施してきた。 2003年冬期には、インターネットや携帯電話などできめ細やかな道路・気象情報を提供するITS実験プロジェクト“スマート札幌ゆき情報実験”を実施した。実験の結果、きめ細やかな道路・気象情報の提供が冬期における都市交通問題の解決手段としての有効性が確認されるとともに、情報発信側としてはデータフォーマットにXMLを用いることで、分散する情報源からインターネットを介してデータを収集し、利用者のニーズに合わせて加工して提供するシステムが効率的に構築でき、仕様拡張にも柔軟に対応できることが実証できた。 |