気象条件の厳しい北海道において、冬期の道路交通の安全確保は必要不可欠なものである。中でも視程障害緩和や吹きだまり防止を目的とした吹雪対策は重要な課題として位置づけられる。 これらについては平成2年3月に北海道開発局監修による「道路吹雪対策マニュアル(案)」(以下、マニュアル)が刊行され、吹雪対策施設整備に広く活用されてきている。しかし刊行後10年が経過しこの間、(1)防雪対策施設の整備が充実し、新たな調査事例や研究成果の蓄積が見られる。(2)除雪能力の向上に伴い、視程障害の防止に重点が置かれるようになった。(3)道内でも高規格幹線道路の整備が本格化し、規格の高い道路構造や高盛土構造に対応する必要が生じた。(4)建設コストの縮減や環境に対する住民意識の向上した。(5)SI単位系の移行など防雪工学を取り巻く環境に変化がある。ことなどにより、実状に即し新たな視点から防雪対策を見直す必要性が高まっている。 そこで北海道開発土木研究所では、平成12年度よりマニュアルの改訂に取り組み、このたび新たに出版する運びとなった。本マニュアルは、道路関係の行政機関、設計コンサルタント等で利用が期待されるほか、国外の道路雪氷対策への活用も期待されている。 本文は、 平成15年7月完成の吹雪対策マニュアルの改訂について、説明したものである(ポスター発表) |