近年、路上の交通規制を伴う工事において、一般の通行車両を原因とした交通整理員や作業員などの工事関係者が巻き込まれる労災事故が全国的に多発しているとの報告がなされている。道路工事の形態から、通行中の一般車両の直近で作業を行わなくてはならないという実情があり、路上作業エリア内においては常に危険を伴う状況にある。また、平成16年3月に、国土交通省大臣官房技術調査課長から「平成16年度における建設工事事故防止のための重点対策の実施について」と題した通達がなされており、各発注機関や関係業団体においては、墜落事故防止重点対策のほか、交通事故防止重点対策として現場表示板と車両の制動制御などを組み合わせたモデル工事やもらい事故への対策工を実施している。[*] このように、路上作業エリアにおいて交通事故から工事関係者の安全性を確保する対策が行われていることより、今回、北海道の路上作業エリアにて発生している交通事故の状況を調査を行った。その結果、平成14年1月から平成15年12月の2年間に112件の交通事故が発生していることが分かった。[*] また、諸外国の路上作業に関する安全対策についての文献調査を行い、諸外国の対策としては保安施設の高輝度化や工事看板の大型化など視認性の向上に努めている事例があり、北海道の路上作業エリアで発生している交通事故防止対策として、参考となる部分は多いものと考える。 |