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発表 温度差エネルギーを利用した水素吸蔵合金アクチュエータ活用型海水交換装置の開発

作成年度 2004年度
論文名 温度差エネルギーを利用した水素吸蔵合金アクチュエータ活用型海水交換装置の開発
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第29回海洋開発シンポジウム
誌名(No./号数) 海洋開発論文集 Vol.20
発表年月日 2004/07/07 ~ 2004/07/08
所属研究室/機関名 著者名(英名)
港湾研究室長谷 一矢(HASE Kazuya)
港湾研究室渥美 洋一(ATUMI Yoichi)
港湾研究室井元 忠博(IMOTO Tadahiro)
北海道開発局先川 光弘(SAKIKAWA Mitsuhiro)
道立工業技術研究センター松村 一弘(MATSUMURA Kazuhiro)
北海道大学大学院吉田 静男(YOSHIDA Shizuo)
抄録
港湾や漁港内においては外郭施設や係留施設の整備が進められてきた.港内の静穏度が向上し,荷役作業等の安全性を高めた一方で,港奥部の閉鎖性海域では水質悪化や港内結氷等が問題となっている.こうした問題への対策としては,水質改善には清浄な外海水,また結氷防止には港内水より高い温度の外海水の導入が考えられる.その方法として,これまで多くの海水交換型防波堤が開発されてきた.海水交換型防波堤には,堤体に導水孔を設けた有孔堤や,この有孔堤前面に潜堤を設置した二重堤など様々な構造形式があげられる.これらの海水交換型防波堤は,いずれも防波堤前面の波動に伴って発生する水平方向の水粒子の運動エネルギーや水面変動そのものを利用しているものであり,海水交換のためのランニングコストは皆無であった.しかし,こうした波動が非常に小さな場合には海水交換能力が著しく低下することは避けられず,この問題に対応するためには別のエネルギーを利用した強制的な海水交換が必要となることが想定される.その最も単純な方法としては,商用電源と電動ポンプを使用した海水交換が考えられるが,この方法では永久に必要となるランニングコストが問題となる.本研究は,こうしたランニングコストをほとんど発生させることのない全く新しい強制的な海水交換装置の開発を目指すものである.利用するエネルギーは自然界に存在する,もしくは何らかの方法で自然界から得ることができる温度差である.当然温度差が得られただけでは海水交換は行えない.そこで着目したのが水素吸蔵合金アクチュエータである.水素吸蔵合金(metal hydride:以降MHと称す)は,常温下においても多量の水素を吸蔵し,しかもわずかな加熱によって吸蔵した水素を容易に放出する特徴を有している.MHを利用した動力機構のひとつがMHアクチュエータである.MHアクチュエータは,ふたつのMH容器に温度差を与えることにより発生する水素圧力差から機械動力を得るものである.このMHアクチュエータの動力を用いることにより,様々な手法で強制的な海水交換が可能であると考えている.本研究で開発している水素吸蔵合金アクチュエータ活用型海水交換装置は,MHアクチュエータを動力部として海水中に設置したスパイラル型スクリューを回転させ,強制的な海水交換を行うものである.本論文は本装置の現地適用方法,メカニズム,運転特性を示すものである.
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