建設工事で発生する土砂の有効利用が進む中で、発生した土砂が盛土材料として適していない場合固化処理することが多くなっている。固化材を混合してからすぐに施工できれば、十分に固化材の固化能力が発揮され、改良した材料は強度発現する。しかし、急な工程の変更や天候の変化により、混合からの所定の時間内に盛土の施工ができない場合があり、このような場合の安定処理土の強度特性が不明なところがある。そこで、固化材を混合してから一定期間養生した後破砕する固化破砕土の強度特性を明らかにすることにより、施工状況に応じた改良土の強度が明らかになる。固化材を混合してから破砕までの時間に着目して作製した固化破砕土の強度特性を明らかにするために行った試験から得られた知見をまとめると次のことがいえる。[*]①固化破砕土についてコーン指数、一軸圧縮強さ、粘着力、内部摩擦角、CBRなどの強度特性を把握できた。[*]②固化破砕土のコーン指数、一軸圧縮強さ、CBRは固化土の強度から推定できる。[*]③固化破砕土のコーン指数は放置時間の影響が大きいが、一軸圧縮強さ、粘着力、CBRは放置時間1日以上で大きな違いはない。このことから、室内試験で放置時間を短くして得られた結果を現場に反映するとき、放置時間が長くなっても強度へ与える影響を考慮しなくても良い。 |