新しい国土の計画が作られようとしている。その中では、グロ-バル化と地域の多様性への対応が盛り込まれる予定である。特に、地方分権推進の中で、北海道などの地域ブロックは、国際化を睨みながらブロックの自立を図ることが必要とされている。[*]ところで、勃興する中国を筆頭にして、東アジアの経済発展は目覚しいものがあり、わが国の産業構造にも大きな変化をもたらしてきている。全世界的な物流を見ても、東アジアのハブ港湾は、わが国ではなく釜山・高雄・上海に移ってきている。これに呼応して、九州ブロックでは、産業構造の変化や新しいハブ港湾の位置づけに沿った国際物流の動きが見られる。[*]北海道は、釜山など東アジアのハブ港湾から北米への国際物流路に接しているという地理上の優位性を持っている。また、九州に見られるような、従来と異なる国際物流ル-トと物流形態が、北海道からも作り出せる可能性はある。特に、北海道の高級食材を東アジアに輸出する動きは顕著であり、北海道から直接、東アジアへ輸送する航路の強化が必要とされている。[*]そこで、本研究の目的は、北海道の自立を目指した国際コンテナ貨物輸送の成立可能性について検討することである。具体的には、2003年11月から九州(博多)ではじまった上海スーパーエクスプレスの実態を明らかにし、北海道におけるRORO(Roll on-Roll off)船による国際物流の展開可能性について検証する。 |