建設工事にともなって発生する土砂のうち、強度が小さくそのままの状態では地盤材料として使用できない材料は、これまで廃棄処分されてきた。しかし、循環型社会の構築を目的として資源の有効利用の観点から、セメントまたはセメント系固化材により安定処理して盛土材料とすることが多くなってきた。通常安定処理した材料の品質管理は密度ではなく強度で管理しており、一軸圧縮強さを用いている。改良した材料の一軸圧縮強さを測定するためには、盛土内から供試体をサンプリングし、室内に持ち運んで試験を実施しなければならない。しかし、改良の目標値がサンプリングするには低いためかなりの注意を要すること、密度管理と比較して相当コストが高いことなどから、一軸圧縮強さにより直接盛土の強度を測定することはかなり困難である。[*] そこで、一軸軸圧縮強さと相関性の高い衝撃加速度を用いて現場の一軸圧縮強さを推定する方法により、盛土の品質を管理することとした。衝撃加速度と一軸圧縮強さとの関係は土質ごとに異なった関係があり、全体をひとつの管理基準値で管理することはできないが、ここの材料ごとにあらかじめ実施した室内試験結果により、現場の強度を直接測定した。その結果、セメントまたはセメント系固化材により改良した材料の品質を衝撃加速度により管理できるとともに、この方法が簡易であり大幅なコスト縮減を図ることができた。 |