| 北海道開発土木研究所では、吹雪に巻き込まれないことを目的とした「広域情報提供サービス」や、吹雪の中でも事故に巻き込まれないことを目的とした「路側情報提供サービス」について研究開発を行っている。広域情報提供サービスの実験は、札幌周辺地域を対象としてインターネットやメールでパソコンと携帯電話に情報提供を行った。路側情報提供サービスの実験は、札幌市近郊の国道337号当別町に延長660mの実験区間を設け、停止車両や低速車を検知するミリ波センサを3基、道路の両側に自発光視線誘導標を24 m間隔で設置して行った。アンケート調査の結果、吹雪情報の提供によって交通行動を変更した人は、全体で55%であり、交通行動の変更内訳(複数回答)は、「予定していた経路を変更した」が37%、「予定していた出発時刻を変更した」が32%であった。路側情報提供サービスの自発光視線誘導標の点滅発光を見ることによる注意喚起では、「注意を払う」「多少注意を払う」が合わせて87%であった。路側情報提供システムが整備されることによる冬期の走行への安心度では、全体で70%、高齢者に限ると85%の回答者が「非常に安心できる」または「安心できる」と肯定的な回答であった。また、事故の拡大防止効果では、「効果がある」「やや効果がある」と回答した方が合わせて約90%を占めた。本実験では、広域情報提供サービスが吹雪を避ける交通行動の変更に有効であること、路側情報提供サービスが吹雪時の走行時における注意喚起や安心感の向上、事故の拡大防止効果に対して高い効果が期待できるという結果が得られた。 |