我が国の交通事故死者数は、5年連続で減少し平成17年には6、871人となり、昭和31年以来49年ぶりに7千人を下回った。交通事故死者数の減少要因は、交通安全対策が講じられたほか、車両の安全性向上や社会情勢等の変化も影響しているものと推測される。しかし、依然として全国の交通事故死者数は、他の事故や災害と比較しても大きな数であり大きな社会的問題であることに変わりはない。[*] 一方で、近年の厳しい財政状況の中、限られた予算内で効率的・効果的な交通安全対策を推進することが求められている。効率的・効果的な交通安全対策の推進を図るためには、事故要因の科学的で的確な分析に基づく対策の立案、実施及び評価が重要である。中でも評価においては、対策後数年を経なければ実際の効果を把握することが難しい面がある。また、一つの対策実施区間ではデータが少ないため、多くの対策実施区間の分析が必要となる。[*] 本報告では、(独)土木研究所寒地土木研究所が開発した交通事故分析システム1)を使用し、北海道の国道における交通安全施設等整備事業のうち、中央分離帯、歩道、道路照明、反射式視線誘導標の事故対策効果を分析した結果について述べることとする。 |