北海道は、積雪寒冷の気象並びに広域分散型社会を形成している。特に郊外部では、都市間を結ぶ交通手段として道路への依存度が高く、大半が唯一のモビリティとなっている。北海道内の一般道路のサービス水準の向上を図るため、地域特性に応じた適切な道路構造の採択、及び走行環境を考慮した交通運用などが求められている。道路のサービス水準を図る評価指標としては様々なものがあるが、基本的には交通量(Q)と速度(V)である。現行の「道路の交通容量」2) は教科書的な役割を担い、それらの基礎が網羅されている。しかしながら、道路構造、地形、沿道状況、気象条件等に応じた交通量と速度の特性が十分に明らかになっているとは言えない。また、中村らは、既往の研究3)により、「種級区分に応じた道路サービス水準(LOS : Level of Service)の設定並びに実現性能のチェックの必要性」なども指摘している。このような背景を踏まえ、筆者らは、北海道内の一般国道を対象とし、道路構造等に応じた性能数値(サービス水準)の評価を試みている。特に、北海道郊外部の一般国道における望ましい道路構造や交通運用形態を検討するため、2車線道路の単路部並びに付加車線設置区間における交通特性分析を実施した。本稿では、以下について報告する。[*]①都市部及び郊外部の一般国道を対象とした性能数値の評価(Q-V特性、事故率等)[*]②郊外部の付加車線設置区間を対象とした交通特性(走行速度分布等)及び交通流シミュレーション構築への取り組み |