国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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発表 道路交通事故の分析と対策手法に関する研究

作成年度 2006年度
論文名 道路交通事故の分析と対策手法に関する研究
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名(No./号数) 寒地土木研究所報告 第127号
発表年月日 2006/05/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
寒地交通チーム平澤 匡介(HIRASAWA Masayuki)
抄録
我が国における道路交通事故は、昭和45年に最悪である16、765人の死者数を記録してから、平成16年は7、358人の半分以下にまで減少した。これは国の行政機関、地方公共団体、関係民間団体が一体となって諸施策を強力に推進した結果である。しかしながら、発生件数及び負傷者数は、増加の一途をたどり、平成16年は過去最悪を記録している。また死者数も減少傾向にあるが、依然年間7、000人以上の人が亡くなっていることを考えると、今後も交通安全対策は、道路交通における緊急かつ重要な課題である。[*]本研究は、交通事故データを統計手法によるマクロ分析の他に地理情報システム(GIS)を利用した交通事故分析システムを開発し、ミクロ分析による地域の特徴的な事故発生状況の把握や要因の分析を行った。また2車線道路の正面衝突事故や路外逸脱事故対策として、ランブルストリップスの最適規格や施工方法を開発し、一般国道における事故防止効果の評価を行った。さらに道路交通安全監査制度の監査プロセスや手法を検討し、事故リスクを監査するためのチェックリストと事故対策を選択するための事故対策マニュアルを作成し、新しい交通安全マネジメント・システムの提案を行った。[*]検討した結果、交通事故分析システムにより、効果的かつ効率的な事故対策箇所の抽出を可能とし、かつランブルストリップスの設置により、正面衝突事故を半減したことを明らかにし、監査チェックリストや事故対策マニュアルを活用し、道路の安全性を向上させる手法として、道路交通安全管理制度を提言した。[*]以下に、本研究の概要について各章ごとに示す。[*]第1章では、本研究の背景、目的、論文の概要について述べている。[*]第2章では、諸外国と日本の交通事故発生状況の比較、日本全国と北海道の交通事故の発生状況、北海道特有の事故要因と課題ついて述べている。[*]第3章では、交通事故分析システムの開発として、GISを活用した交通事故分析システムの開発、事故分析機能と分析結果活用の検討、交通事故分析システムを活用した事故分析事例について述べている。[*]第4章では、北海道に適した交通事故対策手法として、ランブルストリップスの最適規格、施工方法の開発、苫小牧寒地試験道路における走行実験、実道における設置効果、設置前後の正面衝突事故発生件数と費用対効果について述べている。試験道路における実験結果から、北海道に適した規格を提案し、実道に設置した結果、正面衝突事故を半減し、費用対効果が高いことを明らかにしている。[*]第5章では、道路安全監査制度(RSA)の概要、我が国におけるRSA導入可能性の検討、監査チェックリストと交通事故対策マニュアルを作成し、新しい交通安全マネジメント・システムを提案している。[*]第6章では、以上の各章で明らかになったことを要約し、本文の総括としている。
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