| 近年、北海道郊外部の一般国道では、道路利用者へのサービス水準を向上させるために、既存の２車線道路に付加車線を設置する施策が検討されるようになっている。すでに、欧州などの諸外国では、付加車線を連続的に設置し、２＋１車線道路として整備が促進されていることは広く知られる通りです。しかしながら、我が国においては、地方部における２＋１車線道路の交通特性が十分に明らかにされていないことから、交通特性の把握及び道路構造評価の観点から、適切な交通流ミクロシミュレーションの構築が求められている。[*] 当研究所では、1996年に、主として単路部と交差点部を対象とし、道路交通状況の適正な現況再現及び予測評価を行うために、交通流ミクロシミュレーションプログラム「SIM-R」の初版を開発した。既往の研究１）、２）によれば、車線選択モデルや地方部道路の車両挙動再現に関する様々なアプローチが試みられているが、地方部における２＋１車線道路の交通流ミクロシミュレーションとしては十分なものではない。筆者等は、2005年より、一般国道38号白糠町の付加車線区間を対象とし、分流、避譲、追越、合流等の車両挙動実測調査の分析に取り組んでいる。同区間は、避譲形式の付加車線を有する２＋１車線道路である。同実測調査結果を踏まえ、２＋１車線道路の交通流を再現するため、同区間での車両挙動再現のモデル化に着手した。同モデルを組み込んだシミュレーションプログラム「SIM-R」により、２＋１車線道路の交通流の再現並びに評価を行うことを目指している。[*] 本稿では、上記経緯を踏まえ、一般国道３８号白糠町の２＋１車線道路の車両挙動実測調査結果、車線変更挙動（避譲挙動）の再現方法及びシミュレーションの試行結果について報告する。 |
