軟弱地盤対策工法のひとつとして深層混合処理があり、本工法の合理化として①改良率を低減する、②(非着底型)フローティング式の採用が行われている。改良率の低減はコスト縮減となる一方、改良柱体部と改良柱体間に不同沈下が発生する懸念がある。そこで、不同沈下防止にジオテキスタイルを敷設し、改良柱体へ荷重を伝達する対策が考えられる。フローティング式は改良柱体を支持層まで着底させない方式であり、改良長を短くすることでコスト縮減が可能となる。しかし、当然のことながら未改良部分の圧密沈下が発生する。以上の合理化手法を併用したフローティング式低改良率深層混合処理は研究が進められており、室内試験による検討、国内現場での適用が行われている。[*]一方、道内においては軟弱粘性土と異なる性質である泥炭性軟弱地盤が存在し、同様の合理化手法が進められている。泥炭性軟弱地盤の深層混合処理は高盛土においてジオテキスタイルを敷設せずに改良率を35%まで低減した事例がある。当研究所ではさらに改良率を低減することを目的とした遠心模型実験を行い、盛土厚が5m以下であれば30%まで低減可能であることを確認した。[*]本研究では泥炭性軟弱地盤上の低盛土造築現場において改良率を30%まで下げたケースを含む試験施工を行い、改良効果の確認を行うとともに、沈下予測式の適用性の検証を行った。 |