軟弱地盤や液状化が想定される地盤に施工する杭の頭部周辺を、 深層混合処理工法・サンドコンパクションパイル工法・プレロード工法などで地盤改良し、改良後の地盤強度を主に水平抵抗として反映する合理的な設計法を研究し実用化した. 本工法は一般的な地盤改良工法と杭基礎を組み合わせたもので、 複合地盤杭工法と呼ぶ. 本工法を杭諸元が水平抵抗より決定される現場で採用することで杭本数・躯体を縮小できる.軟弱地盤での多くの設計シミュレーションでは20~50%にも及ぶ大きなコスト縮減効果が確認されている.本工法では、 改良地盤中の杭の水平抵抗の影響範囲、すなわち必要な地盤改良領域を工学的な評価に基づいて設定しており、 本設計法の静的荷重レベルの妥当性は、実橋を対象とした現場の杭の水平載荷試験から検証されている. なお、 本工法は杭頭部において原地盤に対してアンバランスな人工地盤を形成することから、 構造物の短周期化などが懸念される. そこで、 微動レベルの遠心力加振実験により、 改良地盤中の杭の応答特性を評価した. さらに、 実現場を想定した2 次元動的有限要素法(等価線形法)解析により、 改良体と原地盤の境界条件の違いによる杭の地震時挙動への影響を検証した. |