本検討は、冬季に地盤が凍結した際の地震時における橋梁の挙動を把握することを目的とし、地盤と構造物の動的相互作用を考慮するため基礎~地盤系のモデル化に2次元FEMモデルを用いて、平温時と地盤凍結時における地震応答解析結果の比較を行った。解析対象として選定した温根沼大橋は、主径間部のニールセンローゼ橋と側径間部の4径間連続鋼板桁橋で構成され、側径間部には免震支承LRBが採用されている。P3橋脚位置における上部構造、橋脚頂部、地盤-1.5mおよび地盤-1.7mの4点には強震計が設置されており、免震支承採用区間のみが竣工した時点で1994年10月に北海道東方沖地震(M8.1)が発生し、橋梁桁上で橋軸方向に最大354galの強震記録(平温時)が得られている。[*]検討結果から、橋脚柱においては平温時はフーチングが支点となるのに対して、地盤凍結時は凍結地盤も支点に近い状態とみなせるため、地表面付近の断面力が増加する可能性が考えられる。よって、地表面付近に段落しが設けてある場合などは地盤凍結時に危険性が増す可能性があり、寒冷地においては地盤が凍結する条件の橋梁を耐震検討する場合では注意すべき事項と考えられる。 |