| 積雪寒冷地である北海道の冬期道路では、降雪、吹雪による視程障害や非常に滑りやすい雪氷路面が発生し厳しい走行環境となる。また、北海道では主要都市が峠を介し広域に分散している。このため北海道のドライバーは、冬期に道路構造及び視界、路面状況など気象状況が変化する厳しい環境での走行を強いられている。[*]このため、リアルタイムな視界や路面状況、これらに基づく走りやすさに関する情報提供は、ドライバーの安全走行を支援する上で重要と考えられる。[*]現在、国土交通省では道路の走りやすさマップが作成され、全国で試行的に公開されている。北海道においても道路の車線数、カーブ・縦断勾配など静的情報から5ランクに分類された冬期道路の走りやすさが市街地部、郊外部・山地部別にホームページや印刷物で公開されている1)。しかしこの走りやすさには、時間とともに変化する視界や路面状況が加味された、リアルタイムな走りやすさは考慮されていない。[*]ドライバーが必要とするリアルタイムな冬期道路の状況や走りやすさを提供するには、冬期道路における走行速度に影響を及ぼす要因、その影響度について先ず明らかにすることが必要である。[*]しかし、交差点や交通流の影響を受けにくい郊外平野部における走行速度に影響を及ぼす冬期道路の要因やその要因の影響度については、明確にされていない。[*]そこで、本文では、北海道の郊外平野部の冬期道路において行った被験者走行実験や定点観測の結果を基に、走行速度と時間帯、季節、道路線形、視界及び路面状況（以下：走行環境）の関係について分析を行ったので、結果を報告する。 |
