| スパイクタイヤ規制により、スパイクタイヤ粉じん問題は解消され、良好な環境を取り戻すことができた。一般的に市民意識においてもスパイクタイヤ規制は是認されていると考えられる。一方、雪氷路面上の自動車の運動を決定づける最も重要な要素は冬用タイヤと路面間の摩擦力であり、雪氷路面上での道路交通特性や安全性に大きく影響を与える。スパイクタイヤ規制はこれに決定的な制約を加え、冬期渋滞、冬型交通事故、凍結防止剤等の散布量増加および冬期路面管理費用増大などの問題も起きている。[*]スパイクタイヤ規制を一つの政策としてとらえて政策評価すると、政策目標であるスパイクタイヤ粉じんの解消については達成されたが、冬期の道路交通や道路管理に対しては負の影響を与えていると評価できる。[*]スパイクタイヤ規制法の国会表決時の附帯決議には、法施行後の対策の在り方の再検討がもられ、また、政策評価法の施行に伴い、数値目標による道路行政マネジメントが実施されている。そこで、冬期路面管理という施策の最終的な業績(アウトカム)を交通特性、交通事故および苦情件数等とし、冬期路面管理の直接的効果であるすべり抵抗を中間的な業績(アウトカム)とするロジックモデルによる冬期道路管理マネジメントの提案およびその試行を行った結果を報告した。 |