トレンチャー式撹拌工法(以降,TMM とする)で施工された地盤改良について,一軸圧縮強さ( qu)のばらつき,改良地盤の深度方向の強度分布などに加え,一軸圧縮強さと材齢ならびに,異なる地盤条件における現場強度( quf)と室内強度( qul)の強度増加の関係を整理した.さらに,現在行われているTMM の品質管理法について考察した.[*]今回の調査結果から,以下のことがわかった.[*]・TMM の一軸圧縮強さのばらつきは,変動係数よりDMM と同じ程度かやや大きいばらつきを有している.[*]・泥炭層が想定よりも極端に厚くなる場合,設計基準強度を下回る恐れがあるため,施工エリアの設定が非常に重要である.また,羽根切り回数の考え方は一考の余地がある.[*]・異なる地盤条件における室内強度と現場強度の関係は,TMM の4 週強度を代表値として評価すると,4 週強度比quf28 / qul28 ≧1/2 が確保されており,特に火山灰質土は室内配合目標強度を設定する際に設計基準強度に対する割増しを小さくすることが期待できる.[*]・同一地盤において3 パターンの品質管理法を比較した結果,地表面スラリー法によって地盤全体の品質を評価することは望ましくない.また,改良対象層の層構成によってはモールド法単独ではなく,モールド法とコアサンプリング法の併用による品質管理を行うことが望ましい. |