構造物基礎は支持形態の違いから、 浅い基礎で代表される直接基礎と深い基礎である杭基礎に概ね大別されるが、 その中間にパイルドラフト基礎がある1). つまり、 パイルドラフトは直接基礎(ラフト)と杭(パイル)を組み合わせた基礎形式で、 ラフトの地盤反力とパイルの周面摩擦力・先端支持力で上部工を支持する基礎形式である(図-1). 既に、 建築構造物ではラフトのみで不足する支持力をパイルで補う基礎形式として、 実務で採用されている. 今後は、 土木構造物の分野でも建設コストの有効活用として、 パイルドラフト基礎の設計施工法を確立させる必要がある. 例えば、 比較的大きな変形を許容する擁壁やカルバートなどの簡易構造物への適用は十分に可能と考えられる. [*]ただし、 ラフトとパイルでは各々の支持力形態や設計理論が大きく異なることから、 パイルドラフト基礎の設計法を成立させるためには変形性能すなわち長期の沈下量や偏心・傾斜を含めた鉛直荷重に対する支持機構の解明が課題となる3)、 4)、 5). そのため,パイルドラフト基礎の鉛直支持機構に関する基礎資料を得る目的で、 ラフト基礎に対するパイルの有無およびパイル配列に注目した遠心力模型実験を実施した. |