近年、様々な構造物の設計が許容応力度設計法から性能照査型設計法へ移行してきており、落石防護施設等の設計においても各性能規定に対する断面設計を可能とする性能照査型の耐衝撃設計法の確立が望まれている。しかしながら、構造物の主要な構成要素である梁部材でさえも、十分に合理的な耐衝撃設計法が確立されていないのが現状である。このことから、筆者らは構造物の性能照査型耐衝撃設計法を確立するための基礎となる研究として、RC 部材の性能照査型耐衝撃設計法に関する研究を進めてきている。本研究では、大型RC 梁の重錘落下衝撃挙動,特に残留変位に及ぼすにおける重錘質量の影響について検討するために、過去に実施した数値解析において質量比の影響を検討した大型RC 梁と同一断面寸法の試験体を製作し,入力エネルギーが同一で質量比が0.1、0.25、0.5 と異なる場合の重錘落下衝撃実験を実施した。[*]本研究により得られた結論は以下のとおりである。1) 残留変位と入力エネルギーは線形関係にあり、その直線勾配は質量比が大きいほど大きくなる。2) 入力エネルギーが同一の場合には質量比の増加と共に残留変位が対数関数的に大きくなり、過去に実施した数値解析結果とほぼ同様の傾向が得られた。 |