| 北海道のような積雪寒冷な地域では,冬期における降積雪や気温の低下によって雪氷路面が出現する.特に,1990年代初頭にスパイクタイヤの使用が事実上禁止されてから,非常にすべりやすい路面(つるつる路面)が多く見られるようになった.このような中,道路管理者は冬期の道路交通機能確保のために様々な冬期路面対策を恒常的に実施しているが,予算制約のある中,より効率的な冬期路面管理の実施が求められている.[*]冬期路面状態の把握は,効果的・効率的な冬期路面管理を目指す上で重要な課題である.しかしながら,冬期の路面状態は道路構造物,沿道環境、天候等によって複雑に変化するとともに把握が難しいのが現状である.当研究所では,冬期路面状態の定量的評価と冬期路面管理の業績測定への活用可能性を検討するために,路面のすべり抵抗値を連続的に測定することが可能な「連続路面すべり抵抗値測定装置(Continuous Friction Tester: CFT)」を導入し,平成19年度冬期から札幌圏国道のすべり抵抗モニタリングを行うとともに,計測データを用いた「冬期路面すべり抵抗モニタリングシステム」を構築した.本稿では,当該システムの構築に関する概要,道路管理者への情報提供の試行,冬期路面管理の業績測定への活用可能性に関する検討等の取り組み状況について報告する. |