| 本研究では，落石覆道の性能照査型設計法の確立に寄与することを目的に，小型RC ラーメン模型に対する重錘落下衝撃実験を行い，その耐衝撃挙動について検討を行った．また，併せて著者らが提案しているRC 梁の衝撃応答解析手法による数値解析を行い，実験結果と比較することによりその妥当性について検証した．本研究において得られた結果をまとめると，以下のとおりである．[*]実験結果より，(1) 敷砂緩衝材の緩衝効果は確認されたものの，応答変位性状および破壊性状に与える影響は軽微であった．(2) 静載荷実験結果と重錘落下衝撃実験結果の変位性状は，両者類似の性状を示すことが確認された．(3) RC ラーメン構造の耐衝撃性能は，静的な照査手法で検討できる可能性が示された．(4) 構造の終局状態まで考慮に入れる場合には，衝撃荷重の静的荷重置換法では検討は難しく，衝撃荷重により生じる変位を推定する必要がある．[*]解析結果より，(1) 重錘衝撃力波形に関しては，解析および実験結果の最大値に若干の差異があるものの，波形性状は精度よく対応している．(2) 応答変位波形に関しては，最大変位および残留変位値に差異が見られるものの，最大変位発生時刻や自由減衰振動等の波形性状は良く対応している．(3) ひび割れ特性に関しては，解析結果は柱部の損傷状況を若干過小評価しているものの，ラーメン構造全体の損傷状況を良く再現している． |
