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発表 積雪寒冷地におけるRC床版の疲労耐久性向上について

作成年度 2009年度
論文名 積雪寒冷地におけるRC床版の疲労耐久性向上について
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第55回構造工学シンポジウム
誌名(No./号数) 構造工学論文集 Vol.55A
発表年月日 2009/04/23 ~ 2009/04/24
所属研究室/機関名 著者名(英名)
北海道大学大学院工学研究科小野 貴之(ONO Takayuki)
寒地構造チーム三田村 浩(MITAMURA Hiroshi)
北海道大学大学院工学研究科林川 俊郎(HAYASHIKAWA Toshiro)
大阪工業大学松井 繁之(MATSUI Shigeyuki)
抄録
北海道内の供用橋梁から積雪寒冷地特有の劣化作用を受けた床版を切り出し,さらに補修・補強を施した床版を製作して輪荷重走行試験機による疲労試験を行い,積雪寒冷地床版の疲労耐久性及び補修・補強効果について検討した.[*]本研究のまとめおよび考察を以下に示す.(1) 水の影響によるRC床版の疲労寿命は約1/10に低下するのに対し,水の影響と凍害の複合劣化を受けた床版の疲労寿命は,約1/150~1/320 になった.(2) 上面で 1cm 程度の凍害劣化と下面のひび割れ密度3~4m/m2程度の床版において,上面における劣化部除去とジェットコンクリートによる補修で,疲労寿命は6.7 倍となった.(3) (2)と同様の床版に対し,さらにCFRP プレートの接着による補強を行った床版では疲労寿命が93倍となった.(4) CFRPプレートによって補強した場合の延命効果を3 種類の効果に分けて考える理論に基づき,実験によって得られた寿命増加率13.8 倍を中立軸の深化による寿命増加率2.32 倍,異方性度改善による寿命増加率2.23 倍,ひび割れ面劣化の抑制による寿命増加率2.67 倍の積で表わした.[*]本研究で実施した補修・補強によって,RC 床版の疲労耐久性の向上がみられ,特にCFRP 接着による補強では一般的な供用年数を大きく超える延命効果が試算された.今回の実験では,北海道で凍害を受けたと考える既設床版をモデル化して補修・補強し,その疲労耐久性の向上を確認したが,北海道以外の地域でも凍結・融解が繰り返されれば同様の床版劣化が起こると考えられ,さらに凍害が原因ではなくても,水の浸入によるすり磨き現象などによって床版上面のコンクリートが砂利化し,圧縮領域が欠損した床版や,ある程度ひび割れが進行した床版にも,今回と同様の補修・補強は有効であると考えられる.
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