| 大型の道路案内標識の裏面の梁材に積もった雪が落下し、事故を引き起こす危険性がある。このため人力による雪落とし作業が実施されているが、この作業には費用や手間がかかるため、より効果的な対策が求められている。北海道では傾斜板による対策工法に関する知見は十分ではない。そこで、その効果を明らかにすることを目的として現地観測を行った。[*] 札幌市近郊の中山峠に実物大の試験用道路案内標識を設置し、その裏面の水平梁材に傾斜角度45°と60°のアルミ製山形屋根、傾斜角度45°と60°のアルミ製傾斜版、傾斜角度60°の鋼製傾斜版の5種類の着雪防止板を取り付け、梁材の無対策部分を含め比較した。[*] 結果、設置した全ての着雪防止板について、着雪対策の効果がみられた。45°と60°のアルミ製山形屋根、および45°のアルミ製傾斜板は無対策に比べ、着雪しにくいものの、一度着雪すると大きく成長する傾向にあり、着雪対策としての効果は低い。60°の傾斜板は、山形屋根の形状や45°の傾斜板に比べ、着雪しにくく、大きな冠雪へと発展しにくいうえ、落雪の発生頻度が高い。さらにこの効果は鋼製よりもアルミ製で僅かに優位であり、低温での観測条件下では、傾斜角度60°のアルミ製傾斜板が最も有効な対策工といえる。 |