斜面崩落災害が発生した場合、迅速な災害復旧対策を行うためにも崩落量や崩落箇所の地形形状を迅速に把握することは重要である。しかし、斜面崩落により道路が分断されるなどして観測方向が限られ、地上からでは崩落箇所の全体像を把握できない状況もある。このような状況では迅速に崩落量や崩落箇所の地形形状を把握することは難しい。また、2次災害の危険があり崩落箇所に近づくことができない状況ではこれらの把握はさらに困難となる。[*]本件では、地上からの計測では観測方向が限られていて崩落箇所の全体像を把握できない場合でも、空中の比較的自由な位置より観測を行うことができるラジコンヘリコプターからの計測について、地上からの計測結果と比較を行うことで精度を検証した。計測手法は、非接触で対象物の3次元形状を計測する手法である、レーザースキャニングと3次元写真計測の2種類の計測手法について比較を行った。[*]結果として、レーザースキャニングでは、GPSやIMUなどの精度誤差の蓄積により精度的には地上からの計測には及ばないが、ラジコンヘリコプターは比較的自由な位置へ移動できるため死角の少ない観測位置を選択できるメリットがあることを確認した。また、3次元写真計測では、地形の詳細な形状を表現することは困難であるが、災害時などに緊急的に地形の全体像把握を行うには十分な精度があることを確認した。 |