照明柱の振動事例については,交通振動,風に起因する振動に大別され,部材の耐久性,利用者・近隣住民の不安感が問題となる場合がある.風に起因する振動では,1980年代に強風時に激しい振動が観測され灯具の耐久性の低下が懸念されたが,検討の結果, 2次,3次モードの渦励振であり,渦励振用制振装置の設置,灯具の固定強度強化の対策が講じられた.[*]今回,白鳥大橋照明柱においては,現行設計では風の変動によって生じる不規則応答(ガスト応答)について必ずしも対応できない場合があることが初めて顕在化された.すなわち,供用後の白鳥大橋の照明柱において,基部のリブ上端部に損傷が確認された.その後,経過観察を行うなどの原因究明検討,対策を提案するための共同研究が実施された.その結果,主原因は冬季の季節風に起因するガスト応答による疲労損傷であることが明らかになり,その対策として疲労強度の高い基部構造が提案された.さらに,その後にガスト応答を低減する目的として制振装置が提案された.近年,照明柱は広域の照度の確保,デザイン性から,高さ10mを超えるものも数多く出現しており,今回の白鳥大橋の事例は今後の強風地域における設計,管理の一助となると判断しここに報告する. |