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発表 実規模RC 桁の繰り返し重錘落下衝撃挙動解析に関する破壊エネルギー等価概念の適用性検討

作成年度 2010年度
論文名 実規模RC 桁の繰り返し重錘落下衝撃挙動解析に関する破壊エネルギー等価概念の適用性検討
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第56回構造工学シンポジウム
誌名(No./号数) 構造工学論文集Vol.56A(CD-R)
発表年月日 2010/04/24 ~ 2010/04/25
所属研究室/機関名 著者名(英名)
室蘭工業大学岸 徳光(KISHI Norimitsu)
寒地構造チーム今野 久志(KONNO Hisashi)
三井住友建設㈱技術研究所三上 浩(MIKAMI Hiroshi)
抄録
本研究では,耐衝撃用途RC 構造部材の性能照査型耐衝撃設計法の確立に向けた検討の一環として,実規模RC 桁の繰り返し衝撃荷重載荷時における挙動解析を効率的に遂行することを目的に,コンクリート要素に対して引張破壊エネルギー等価の概念を適用することの妥当性について,純スパン長が8 m の実規模RC 桁を対象とし,2、000 kg 重錘を用いた重錘落下繰り返し衝撃荷重載荷に関する数値実験により検討を行った.[*]本研究では,過去に実施した実規模RC 桁を対象とした数値解析に関する精度検討結果を踏まえて,軸方向の基準要素長を帯鉄筋間隔(250 mm)の7 分割に相当する長さ(35.7 mm)とした.数値実験では,帯鉄筋間隔を1~3分割する場合や,要素分割を2 段階に変化させた場合について,コンクリート要素への破壊エネルギーー等価概念(以下,単にGf )の適用の有無をパラメータに取って検討を行った.検討項目は,重錘衝撃力,支点反力,載荷点変位の時刻歴分布や,残留変位および累積残留変位値である.本研究の範囲内で得られた結果を整理すると,以下のとおりである.[*]1) 重錘衝撃力や支点反力の時刻歴分布や継続時間に関しては,Gf の影響は小さい.しかしながら,最大重錘衝撃力や最大支点反力はその影響が大きく,Gf を考慮することによって基準モデルに対する誤差を小さくすることができる.2) 最大変位は,Gf を考慮することによって帯鉄筋間隔を1 要素とする場合においても適切に評価可能である.また,除荷後の自由振動特性は,重錘の落下高さH が小さくひび割れの発生が少ない段階では,Gf を考慮する場合においても基準モデルを用いる場合と整合は取れない.しかしながら,ひび割れの発生が明確になるような落下高さの場合には要素長にかかわらず整合する.3) 各重錘落下時の残留変位および累積残留変位は,Gf を考慮しない場合には要素長の大きさに対応して過小に評価される.一方,Gf を考慮する場合には,要素長にかかわらず適切に評価可能である.4) Gf を考慮した有限要素モデルを用いることにより,RC 桁の損傷度の指標として最も有効であると判断される残留変位あるいは累積残留変位を工学的に安全側で評価可能であることが明らかになった.これより,本手法は実規模RC 桁の繰り返し衝撃荷重載荷時における耐衝撃性評価のための弾塑性有限要素解析法に十分適用可能であるものと判断される.5) これらの結果の下に,繰り返し衝撃荷重載荷後の累積残留変位と単一載荷における残留変位が等しくなる時の重錘の落下高さを同定した.その結果,落下高さは繰り返し載荷時の全入力エネルギーと等価になる高さにほぼ対応することが明らかになった.そのときの除荷後の自由振動性状は最終繰り返し載荷時のそれとほぼ対応し,損傷度が同程度であることが確認できた.
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