軟弱地盤上に構築する盛土の安定対策として、深層混合処理工法などを盛土法尻に設置する形式が採用されているが、そのほとんどが堅固な支持層まで改良する着底式で実施されている。しかも、改良幅(B)と改良深度(H)の比率(以降、B/Hとする)は経験的な値(B/H=0.5~1.0)が採用されている。[*]筆者らは支持層まで改良せず、盛土法尻下の軟弱地盤内に改良体を浮かせた形式(以後,浮き型式地盤改良)が,泥炭性軟弱地盤上の盛土の安定対策として有効であるか、試験施工を実施して改良効果を確認した。試験施工の結果,B/H=0.13でも盛土の安定性が確保されたとともに、改良体にせん断破壊や曲げ破壊が生じていないことが確認された。[*]本件等では、試験施工の結果を検証する意味も含め、浮き型式地盤改良の改良体の盛土の内定安定性を確保し、周辺地盤への変形抑制効果が期待できる合理的なB/Hを明らかにするため、遠心力模型実験を実施した.[*]遠心力模型実験の結果,改良体がすべり線より深い位置に改良体を設置し、B/H=0.33以上であれば改良体にせん断破壊や曲げ破壊が生じず、周辺地盤への変形抑制効果が得られることがわかった. |