近年の降雨特性の変化に伴う集中豪雨により、道路側溝の流末側で内水面が氾濫(オーバーフロー)しやすくなっており、周辺の民地等への被害が発生している。また、その被害を食い止めるために、流末を確保することに多額な費用を費やさなければならないことが、建設現場での懸案である。[*] そこで、浸透性のある排水構造(浸透側溝)を用いることで、流末側に負荷をかけず、安価なコストでその被害を軽減する排水処理技術を検討した。また、従来のコンクリートトラフでは小動物が落ちた場合、脱出が不可能になるため、行動範囲が制約され、環境や生態系に悪影響を及ぼすが、小動物が脱出可能である浸透側溝は環境にやさしい道路側溝であることと、製造時に二酸化炭素を排出しない材料を用いることで、低炭素社会に貢献できると考える。[*] 浸透側溝の中詰材には切込砕石を使用していることから、雑草の影響や枯葉の堆積などからの目詰まりにより、浸透効果が下がることが懸念される。本研究は、浸透側溝の浸透効果を確認するため、実際に現場試験施工を行い、目視観測や計器観測を行った。その結果から、浸透状況を把握するとともに、経年調査による浸透能力を評価するものである。 |