PIARC(世界道路協会)は、1909年に設立されたパリに本部を置く国際機関である。正式な名称はWorld Road Association だが、旧名称の常設国際道路会議協会(Permanent International Association of Road Congresses)の略称であるPIARCが現在も使われ、"World Road Association PIARC"と標記されることが多い。PIARCには、世界中の国や地域、地方公共団体が加盟しており、日本の第1代表は国土交通省の道路局長がその任にあたっている。PIARCには、17の技術委員会(TC:Technical Committee)があり、冬期道路を扱うのが、TC.B5冬期道路サービス委員会である。本報告では、冬期道路サービス委員会の活動について紹介する。[*][*]現タームでは前タームの冬期管理委員会という名称から変更され、利用者にサービスを提供するという立場が明確にされた。PIARCでは4年毎に戦略計画を定めており、各技術委員会もそれに従い活動計画を決めている。2008~2011年の任期におけるTCB5冬期道路サービス委員会の活動テーマは次の通りである。[*]B5.1 -冬期道路情報システムの高度化[*]B5.2 -持続可能な冬期道路の提供[*]B5.3 -冬期道路会議を通じた情報共有[*]B5.4 -道路利用者とのコミュニケーション[*]このうちB5.3は国際冬期道路会議の開催を担当している。他の3テーマについては、それぞれワーキンググループを設けて技術レポートを作成している。[*][*]第13回国際冬期道路会議は、2010年2月8~11日 カナダ国ケベック市で開催され、技術発表や各国や企業の技術展示、除雪オペレータの技量を競う国際除雪選手権などが行われた。[*]技術セッションのトピックは以下の通りで、発表論文数は133件、うち 日本からは27件で、各国で最多であった。[*]I.冬期サービスの計画、マネジメントと実行[*]II.冬期の安全とモビリティ:社会、環境、経済的側面[*]III冬期サービスの情報システム[*]IV.雪氷対策技術[*]V.冬期サービスと持続可能な交通[*]VI.冬期サービスと気候変動の影響[*][*]発展途上国への技術普及を目的に、各TCには、2回のセミナーの開催が求められている。TCB5では以下の2回のセミナーを開催した。[*]1) 2009年10月5-7日 チェコ共和国フラデツ・クラーロヴェー市[*]2) 2011年4月6-8日 モンゴル国ウランバートル市 |