本研究では,敷砂緩衝材の数値解析に用いる材料構成構則モデルの設定手法を構築するための基礎的研究として,敷砂緩衝材の厚さをパラメータとした5 ton重錘を用いた大型重錘落下衝撃実験を実施した.[*]本研究により得られた知見を整理すると,以下の通りである.1) 敷砂厚が薄い場合における重錘衝撃力および伝達衝撃力はほぼ類似の応答波形性状を示し,衝撃荷重載荷初期に急激に立ち上がる正弦半波状の第1波とそれに続く正弦半波状の第2 波から構成される.2) 敷砂厚が薄い場合における重錘の貫入量の時間分布は折れ線状になり,その折れ点と重錘衝撃力波形の関係を特定することができた.この第1 折れ点は最大重錘衝撃力発生時と,また第2 折れ点も第2波目の最大応答値発生時とほぼ対応することが明らかになった.3)敷砂厚が薄い場合における最大伝達衝撃力は,いずれの条件においても重錘衝撃力よりも大きな値を示す.また,最大伝達衝撃力/最大重錘衝撃力の値は,敷砂緩衝材の厚さがt=70㎝の場合で1.1~1.2程度となり,敷砂厚が薄くなるにしたがって小さな値を示す.4)より厳しい落石条件下に対しても精度の高い最大衝撃力の算定するためには,振動便覧式におけるラーメの定数や割り増し係数の適切な算出方法を構築する必要がある. |