国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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発表 衝撃弾性波を用いた接着工法における接合面の剥離判定方法への一考察

作成年度 2013年度
論文名 衝撃弾性波を用いた接着工法における接合面の剥離判定方法への一考察
論文名(和訳)
論文副題
発表会 コンクリート工学年次大会2013(名古屋)
誌名(No./号数) コンクリート工学年次論文集 Vol.35 (CD-R)
発表年月日 2013/07/09 ~ 2013/07/11
所属研究室/機関名 著者名(英名)
リック(株)岩野 聡史(IWANO Sotoshi)
前田工繊(株)内田 明(UCHIDA Akira)
前田工繊(株)多田 大史(TADA Hirofumi)
寒地構造チーム岡田 慎哉(OKADA shinya)
抄録
接着工法でのPCM と母材コンクリートとの剥離状況を,非破壊試験である衝撃弾性波法により確認する方法について検討した。得られた結果を以下に示す。(1)厚さ20mm,52mm,102mm のPCM 板をコンクリート供試体と密着していない状況で測定すると,直径10mm,15mm,20mm の鋼球打撃により,たわみ振動が発生することが確認された。(2)たわみ振動の周波数は,剥離の発生位置や断面寸法で変化する。また,PCM と母材コンクリートとが密着している場合に測定される周波数は,打撃する鋼球の直径などの条件で変化する。これらから,PCMと母材コンクリートとが密着している場合に測定される周波数と,密着していない場合でのたわみ振動による周波数が一致することも考えられる。(3)たわみ振動は時間経過による振幅の減衰が小さい。これから,振幅加算値は,PCM 板の厚さや打撃する鋼球の直径に関係なく,PCM 板とコンクリート供試体との密着によって著しく小さくなる変化を示す。(4) (2)・(3)より,周波数のみによる比較ではPCM と母材コンクリートとの剥離状況の判定を誤る場合がある。これに対して,振幅加算値は判定に有効な測定値になると考えられる。実際に,下面増厚工法による補強後15 年が経過した実構造物で測定すると,周波数による比較では,(2)に示した原因により正確な判定ができない場合があることが確認された。振幅加算値により判定することが妥当である。以上のとおり,測定振動の振幅加算値を利用することで,厚さ20mm~100mm 程度のPCM と母材コンクリートとの剥離状況を客観的に評価できることが確認された。また,本法では,測定値を装置に記録できることから,測定結果を視覚的に捉えることや,経年変化の確認などが可能となる。本法は,コンクリート構造物の維持管理において有効な試験方法となるものと期待される。
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