| 本研究では、CFRPプレートにより下面補強したRC床版について、中央載荷と支点寄りに偏心載荷した2通りの載荷方法で輪荷重走行試験を実施し、本工法による補強を確認した.主な内容は、以下の通りである.1)試験の結果、輪荷重の走行位置に関わらず、CFRPプレートによる補強によってRC床版の疲労耐久性が大幅に向上することが確認された.補強供試体の疲労耐久性について、無補強試験体に対する破壊時150kN等価走行回数の比で評価すると、本研究で実施した輪荷重走行試験では、中央載荷で約40倍偏心載荷で約20倍であり、無補強供試体の疲労寿命に対して10倍以上の補強効果を確認できた.2)無補強供試体では、載荷位置による破壊時走行回数への影響は見られなかった.載荷位置が支点に近い偏心載荷では、床版に作用するせん断力が大きくなるが、耐力も増加したことが影響したと推察される.3)補強供試体では、いずれの載荷位置の場合でも、コンクリートと補強材が接着されたままかぶりコンクリートの表層のひび割れる形態で補強材の局所的な剥離が開始した.中央載荷に比べて偏心載荷で補強効果が少ない要因として、偏心載荷では、局所的な剥離に対する応力の再分配による抵抗ができないことや、中央載荷に比べて接着面に作用するせん断応力が大きくなることが挙げられる.4)既往の研究で提案された疲労寿命評価式と実験結果の比較から、CFRPプレートで補強された床版においても、載荷位置に関わらず既往の評価式により概ね評価が可能であることが確認された. |