近年,急激に発達した低気圧の影響により,これまで吹雪の発生が少なかった地域でも,吹雪による交通障害の発生が見られるようになってきている.防雪林や防雪柵等の吹雪対策施設の整備が進められてきているが,突発的な吹雪事象への対応には限界がある.そこで,気象データから視程を推定する手法を開発し,インターネットサイト「吹雪の視界情報」で視程の情報を提供することにより,道路利用者の判断を支援することとした.[*] 本研究では気象庁から配信される降水短時間予報やメソ数値予報の風速,気温等の気象データを用い,松澤らが提案した降雪強度と風速,気温から飛雪空間濃度)を推定する手法により吹雪時の視程を推定する.[*] 「吹雪の視界情報」では吹雪時の視程推定結果を基に,平成20年度から視程の現況値を,平成25年2月からは1日先までの予測情報の提供を開始した.「吹雪の視界情報」のアクセス数は年々増加の傾向にあり,特に予測情報提供開始以降には大幅な増加が見られた.天候悪化時のアクセスの増加から,利用者が視界情報を行動判断に活用していることが伺われる.また,予測情報提供開始後に実施したアンケート調査によると,回答者の72%が予測情報に高い評価を与えていた. |