近年、急激に発達した低気圧の影響により、今まで吹雪の発生頻度が低かった地域でも、吹雪による交通障害が発生するようになってきている。防雪柵や防雪林等の対策施設の整備には、多くの時間と費用が必要となるほか、激甚的な吹雪事象への対応には限界がある。そこで本研究では、気象データを用いて視程を予測する技術を開発し、インターネットを通じて道路利用者への情報提供実験を行うこととした。[*] インターネットサイト「吹雪の視界情報」平成20年度から、視程の推定結果に基づき、現況の視程に関する情報提供を行ってきた。平成24年度には、エリア区分や予測対象時間に関する利用者ニーズアンケート調査を実施し、この結果に基づく改良を行い、平成25年2月から視界予測情報の提供を開始した。予測情報の提供には、気象業務法及び同法施行規則により、気象予報士の資格が必要なため、在籍する3名の気象予報士が予測結果の妥当性を確認の上、公開を行っている。[*] 視界予測情報の提供開始後は、アクセス数が大幅に増加し、特に悪天候時のアクセス数が多かったことから、ドライバーが行動判断に活用していることが伺われた。今後は、ドライバーの安全な行動を促す情報の内容や表現方法について、検討する予定である。 |